サンクトペテルブルク・モスクワ旅行

サンクトペテルブルクモスクワに旅行した記録を記載する。

2年前、海外旅行に行ったときの添乗員さんに、「お勧めの旅行先はロシア」と聞いたので、いつかロシアに行ってみようと思っていた。

そして、行きたいと思ったもう一つの理由は、私のブログを読んでくれている人がロシアとウクライナに多いこと。2つの国の人だけで全体の7割近くになる。日本語の勉強をしているのだろうか?

2018年5月中旬、インターネットで8月22日(木)出発のツアーに申し込んだ。7月17日にビザ取得のための書類を送付し、8月4日にビザ取得が完了。

7月から8月中旬にかけて日本を直撃した台風が多かったことから、出発時の悪天候だけが心配だったが、何も問題なく出発できた。ただし、出発した次の日には台風20号が徳島南部に上陸し、和歌山県、兵庫県、滋賀県などで被害がでた。

成田空港で1万円をルーブルに両替。予定どおり午前10時45分に飛行機が動きだした。


サンクトペテルブルクに15時間かけて到着


成田からモスクワまで9時間30分のフライトで、さらに1時間15分かかってサンクトペテルブルクに着いた。

左の写真はサンクトペテルブルクの夜8時30分ごろの風景。

6月~7月の白夜の時期は過ぎたが、まだ昼の時間が長い。

着いたときの気温は16℃。朝晩は涼しく、日中は暑かった。



サンクトペテルブルク観光


初日の観光は聖イサアク大聖堂の前から始まった。

海外では教会を観光することが多いが、今回も同じような予定になっていた。

教会に興味がないし、遺体が安置されていることの気持ち悪さで、教会に関する私のブログ記事は少ない。




聖イサアク大聖堂の前のニコライ1世馬上像。

ニコライ1世馬上像は、馬の後ろ足2本のみで全体像を支えている。

ガイドさんの説明によれば、この像は崩壊の可能性があることから定期的に調査が行われていて、最近の調査では異常がなかったとのこと。

そう思って見ると、台風や地震があったら壊れてしまいそうに見えてしまう。








エルミタージュ美術館を見学。

エルミタージュ美術館は、ロシアの国立美術館で世界3大美術館の1つに数えられている。

実際にロシアの皇帝が住んでいた宮殿を中心に5つの建物から構成され、中には多くの美術品が展示されていた。




銀器の展示室でもある紋章の間。

この部屋だけでなくエルミタージュ美術館の建物の中で目立つのは金色。

ロシアはヨーロッパと同じように宮殿にも教会にも金を使うことが多い。





左の写真はパヴィリオンの間にある孔雀の時計

時計自体を動かすのは特別な場合に限られていて、このときは動いていなかった。

わきの画面には動く様子が常時映されていた。

18世紀末にエカテリーナ2世の愛人ポチョムキンがエカテリーナ2世に贈るために英国に特注して造らせた時計だが、ポチョムキンが急死したため、彼の相続人からエカテリーナ2世が買ったとされている。

この日の昼食は美術館内のカフェテリアでサンドイッチを食べた。あまり美味しくなかった。






2日目の観光の最初はピョートル宮殿。

スウェーデンとの北方戦争勝利を記念して建てられた。

噴水と花畑が多かった。













まず、「いたずらの噴水」を見た。

写真の向こう側から手前側に石の上を歩いてくると、踏む石によって白いベンチの下から水が噴き出す仕組みになっている。

歩いた人の大半は水をかぶることになった。





宮殿前の壮大な庭園。

手前にある像はライオンの口を引き裂くサムソン像。

ライオンはスウェーデンを表わしている。

16世紀から17世紀のスウェーデンは強い国だったようだ。




昼食後、エカテリーナ宮殿を観光した。

農民の身分からピョートル1世の妻になったエカテリーナ1世のために建てられた夏の避暑用の離宮。

この宮殿の見どころは琥珀(こはく)の間

ただし、撮影禁止なので自分で写した写真はない。



自分の写真がないのでウィキペディアから琥珀(こはく)の間の写真を拝借。

琥珀(こはく)の説明:
琥珀(英: Amber、アンバー)は、天然樹脂の化石であり、宝石である。半化石の琥珀はコーパル(英: Copal)。
バルト海沿岸で多く産出するため、ヨーロッパでは古くから知られ、宝飾品として珍重されてきた。鉱物に匹敵する硬度を持ち、色は黄色を帯びたあめ色のものが多い。




3泊したホテル(PARK INN PRIBALTIYAKAYA)。

部屋数が多いホテルだった。

朝食のレストランでは、ある国の人だけが別の場所に案内されていた。

その国の習慣が違うためか、他国の人に迷惑をかけるためか、部屋を汚すためか、理由はわからない。

食べ物の味は日本人にあっていると思った。




モスクワ観光


赤の広場の写真。右側はグム百貨店。

この時期はスパスカヤ音楽祭の期間で赤の広場に観覧席などが設置されていたため、全体がよく見えなかった。

レーニン廟は全く見えなかった。

古いロシア語では、「赤」は「美しい」という意味。




おもちゃのようにカラフルな玉ねぎ頭で有名な聖ワシリー大聖堂は、世界でも有数な美しい建造物として知られた世界遺産。

モンゴル戦勝を記念してイヴァン4世によって1560年に建てられた。

寺院にしては色彩が派手過ぎる。





クレムリンの中の写真。

クレムリンとは城壁の意味で、城壁で囲まれた内部には大統領府など政府関係の建物のほか、いくつもの聖堂や武器庫などがある。

武器庫は19世紀半ばに兵器を製造、保管する場として建てられた。

今は歴史博物館だが、その中の展示物がすごかった。



武器庫内は写真撮影禁止のため写真はない。

左の写真の白い建物の奥が武器庫。

コレクションには、13世紀から18世紀の武具・武器、14世紀から19世紀の織物、宮廷衣装、ロマノフ家の馬車などがあった。





行く先々で多くの観光客がいて、写真左下のおじさんのように日本製の高級カメラ(ニコンD750)を持っている人が多かった。

私たちのグループにも高級カメラを持っている人がいたが、ある教会の入口に並ぼうとしたとき、カメラのレンズを取られそうになった。

複数の犯人が連携して盗もうとしたようで、一人が持ち主の気を引き、一人がカメラのレンズを外した。すぐに気がついて取り戻せたが、ちょっとでも発見が遅れたら盗まれていたと思う。
このカメラのレンズは20万円くらい(推定)。

それ以外にも、写真を写したから金を払えと言われた人がいて、犯罪が身近にあると感じた。


左の写真はスーパーで買った缶ビール(500ml)。値段は120円。

レギュラーガソリン価格は90円/ℓ。

ルーブルに対して円が高くなってきたこともあって、全体的に物価は安いと感じた。

社会主義の時代を知っているガイドさんの解説では、品物の数は非常に多くなり、物価は高くなったとのこと。








【車のメーカー別シェア調査結果】


旅行中に走っている車のメーカー・台数を調べた。

日本と韓国のメーカーで、全体の5割を占める。

(台)

メーカー欧州日本韓国米国
現代・起亜76
トヨタ40
VW33
BENZ30
日産20
BMW16
三菱14
ルノー13
アウディー13
フォード13
オペル11
マツダ11
ボルボ10
コア9
プジョー8
GM8
スバル7
本田5
スズキ4
シトロエン3
ランドローバー3
フィアット1
ポルシェ1
合計1511017621
シェアー43.3%28.9%21.8%6.0%




【地図】

































【スケジュール】

1日目 成田空港出発 サンクトペテルブルク泊
2日目 エルミタージュ美術館、サンクトペテルブルク市内観光
サンクトペテルブルク泊
3日目 ピョートル宮殿、エカテリーナ宮殿観光
サンクトペテルブルク泊
4日目 モスクワ市内観光 モスクワ泊
5日目 クレムリン観光 機中泊
6日目 成田空港着



【旅行に出発した日の台風進路予想図】


出発した8月22日は、2つの台風が日本の近くにあった。






以上、終わり。






ブラジルの経済・文化の考察

【古いブログを作り直した】

1.   はじめに

私は2010年から2014年まで仕事の関係でブラジルに滞在していた。その経験を踏まえ、個人的なブラジルの印象を紹介するとすれば、サッカー、高い犯罪率、BRICsの一国として発展、アマゾンに代表される豊富な自然など、一般的に知られている簡単な単語でしか説明できない。しかし、この国に4年間も滞在したのだから、印象だけでなく、もう少し説得力がある説明ができないものか、また、さらに踏み込んで改善点を提案できないかと考え、可能な範囲でデータ収集・加工・考察を行った。各国の主要データを調査した結果、ブラジルの特徴を客観性のあるデータで説明し、今後の発展のために必要なことを考察することができた。データの加工段階で「ソフト環境」という独自の指標を考案したので、この観点からブラジルが改善すべきことを記述する。


2.   データの収集とまとめ方

各国の比較データはインターネットで収集した。それらのデータをどのようにまとめようかと考え、今回採用したのは、「世界がもし100人の村だったら方式」。これが一般的なデータ分析方式として世間で認められているかわからないし、100人(=世界中の国)を公平に評価できているか疑問はあるが、広い分野で総合的な見方をするために、この方法が適当と判断した。とにかくデータを採取し、国ごとの比較をすることで見えてくるものがあると考えた。

データの収集は、まず経済指標として、名目GDP、自動車生産台数、穀物生産量の世界順位をインターネットで調べ、仮に世界が100人の村としたときの順位を計算した。例えば名目GDPは、IMFの統計データ(2018年)では調査対象は193か国中、ブラジルが9位なので、世界を100人の村としたときは5番目になる。さらに、「経済を取り巻く環境、文化指標」(ここではソフト環境と呼ぶ)として、犯罪(殺人)発生率の世界順位を調べ、上記同様、仮に世界が100人としたときの順位を計算した。それを平均してソフト環境の世界順位とした。「ソフト」としたのは、インフラや資源などのハード環境とは別の指標であることを表す意味がある。以下、人の努力に結びつく経済指標とソフト環境に絞って考察を行い、ハード環境の考察は省略する。なお、調査データがない国を含めて世界の国の数(=100人の村の全体)を196か国とした。

今回のデータ評価では各指標の重み付けはしていない。例えば、名目GDPと犯罪発生率のどちらが重要かについては、比較する意味があるかどうかから悩むことになるので(悩んで結論がでそうもないので)、前提として各項目の重要性は同じものとした。


3.   データ調査結果と全体的な傾向

国別の100人中の順位を一覧表(表1)にし、経済指標とソフト指標別に平均値を計算した。順位が60位以下になった項目は色を変えて表示している。これで重点的に改善することが必要な項目を強調した。

1の結果を元に、経済指標を横軸、ソフト環境を縦軸にとり、各国の順位をプロットした(図1)。その結果、全体を3つのグループに分けることができた。ブラジルが属するグループは、経済指標の順位は上位だが、ソフト環境が下位になっている。日本が属するグループは、経済指標もソフト環境も上位に位置している。そして、スウェーデンなどの北欧の国が属するグループの傾向として、経済指標は中位、ソフト環境は上位に位置している。

 

4.   ブラジルの特徴

1の中でブラジルは左上のグループ内に位置しており、他国に比べて経済指標(3.7位)とソフト環境(55.3位)のバランスが悪いことがわかる。言い換えれば、ソフト環境が経済発展に追い付いていない。さらに、ソフト環境の中でも世界順位が60位以下の項目が重要な課題ではないかと考えると、ブラジルの課題は、順位が低い順に①犯罪発生率、②貧富の差、③経済自由度となる。和田昌親編著『ブラジルの流儀―なぜ「21世紀の主役」なのか』でも、「ブラジルに欠点がないわけではない。最大の問題は治安の悪さである。サンパウロの街中では強盗、ひったくりの類は日常茶飯事。(中略)ただ治安の悪さも、単純に貧困層への所得配分が少ないためと思えばあきらめもつく」1)と、治安の悪さと貧困について言及している。

私がブラジルに滞在中も、アパートの別の部屋に空き巣が入ったり、住んでいた町の銀行ATMが強盗に爆破されたりと、犯罪が身近にあることを実感した。

 

5.   ブラジルのソフト環境の改善方法

実態経済に比べてソフト環境の悪い国が、ソフト環境を改善するにはどうしたらいいかを考察した。例えば、南アフリカ、メキシコ、ブラジルの経済指標は世界の中で悪くないが、貧富の差や汚職指数が悪いことから、富の分配が少ないため、本当に貧しい人は犯罪に手を染めなければならないほど貧しいことが理解できる。改善する手段としては、特権階級に有利なルールの見直しを行い、国民全体の生活基盤を改善することが必要である。

ブラジルの相続税について調べると、国際相続手続き代行センターのホームページでは、「ブラジルの相続税は4%、(中略)日本の相続税は最高50%ですから、各種控除を考慮しても、ブラジルの相続税は日本と比べて非常に安いといえるでしょう。特に富裕層にとっては非常に負担は軽いといえます」2)と書かれている。相続税を見直して富の分配を図ることで、ソフト環境を改善することができる。

 

6.   今後の課題

別の視点でも評価したいと考え、国別の児童の教育水準(学力)、労働争議発生数についても調べたが、調査国数が少なかったため、今回は比較できなかった。調査データが増えた際は、さらに多くの視点で問題点を明確にしていきたい。

 

1 主な国の経済指標とソフト環境の順位表

 


1 主な国の経済指標とソフト環境の分布

 

 

参考文献・資料

1)和田昌親編著『ブラジルの流儀―なぜ「21世紀の主役」なのか』中央公論新社 2011225日発行 17ページ

2)国際相続手続き代行センターhttps://www.souzoku110.info/brazil.html 202034日閲覧

3)IMFInternational Monetary Fund2018年データ 202023日閲覧

4)国際自動車工業連合会(OICA2018年データ 202024日閲覧

5)FAOFood and Agriculture Organization2017年データ 202024日閲覧

6)UNODCUnited Nations Office on Drugs and Crime2017年データ 202024日閲覧

7)TITransparency International2019年データ 202024日閲覧

8)CIA - The World Factbook 2008年データ 2010210日閲覧

9)“Democracy Index 2018The Economist Intelligence Unit.  2020210日閲覧

10)“2016 IEF (XLS) table downloadHeritage Foundation.  2020210日閲覧

11)WEFWorld Economic Forum 2019年データ 2020210日閲覧

12)IEP - Global Peace Index2019年データ 2020218日閲覧

13)UNDPUnited Nations Development Programme2018年データ 2020212日閲覧

14)World Economic Forum 2020年データ 2020214日閲覧


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【以下、2013年7月公開したもの】

各種の世界ランキングから、ブラジルの特徴を考察した。

まず経済指標として、GDP、自動車生産台数、穀物生産量の世界順位を代表として調べ、仮に世界が100か国としたときの順位を計算した。

それを平均して経済指標の世界順位とした。

さらに、経済を取り巻く環境、文化指標として、犯罪発生率や教育レベルの世界順位を調べ、上記同様、仮に世界が100か国としたときの順位を計算した。

それを平均して経済を取り巻く環境、文化指標の世界順位とした。

ここでは、経済を取り巻く環境、文化指標を「ソフト環境」と呼ぶことにする。

「ソフト」としたのは、インフラや資源などの「ハード」とは別の指標であることを現すため。

ブラジルの経済指標順位は世界5位だがソフト環境は世界61位で、かなりの乖離がある。

ソフト環境が経済発展に追い付いていないということができる。

ソフト環境の中でも世界順位が75位以下の項目が重要な現状の課題ではないかと考えた。

順位が低い順に①貧富の差、②犯罪発生率、③基礎教育、④労働争議件数、となる。

すぐに全てを改善できるわけではないが、優先順位としては、貧富の差の改善が現実的ではないかと思う。

ブラジルでは現状、相続税がほとんどないが、相続税の取得で少しは貧富の差が少なくなるのではないだろうか?

世界の中のブラジルのレベル(個人的な計算結果)


分類
指標
世界順位
仮に100か国の中の順位
経済指標
GDP
6位
6位
自動車生産台数
7
7
穀物生産量
6
3
平均
5
経済を取り巻く環境、文化指標
(仮に「ソフト環境」と呼ぶ)
犯罪(殺人)発生率
183
92
汚職(腐敗認識指数)
73
40
貧富の差
35
97
民主主義指数
47
28
経済自由度
100
55
基礎教育(児童の学力)
57
88
IT競争力
55
40
平和度指数
83
53
人間開発指数
73
43
多次元貧困指数
63
70
労働争議件数
18
86
男女格差
62
46
平均
61
経済と周辺環境を含めた指標
国際競争力
56
38
潜在競争力
40
80
平均
59



以上、終わり。

カンボジア旅行

カンボジア旅行の記録を紹介する。今回の旅行の目的はカンボジアの遺跡を見ること。 2年連続で海外の遺跡観光をすることになった。カンボジアの遺跡が造られたのは9~13世紀。昨年訪問したメキシコの遺跡は4~11世紀。ほとんど年代が重なるが、少しだけカンボジアの遺跡が新しい。 旅...