マレーシア・キナバル山旅行

マレーシアの最高峰:キナバル山(Mt.Kinabalu)に登った記録を紹介する。

この山の高さは2019年現在4095mとなっているが、私が訪れた1996年は4101mだった。

標高が変わったのは、人工衛星による測量(GPS)により精度が上がったため。



一時期、私は、山の高さが変わったのは2015年6月5日の地震で頂上付近の岩が崩れたためだと思っていた。

たくさんの岩が崩れたが、山の標高が変わった原因ではなかった。

この地震で日本人1人を含む18人が死亡したとされる。




旅行のきっかけは、1996年に勤続20年で会社から休暇と旅行券をもらえたこと。

ハイキングに近い山登り旅行を捜し、アルパインツアーサービス(株)のツアーに参加することにした。

実際はハイキングという軽い気持ちで行ける場所ではなかったが・・・。





【スケジュール】


1日目 成田出発~コタ・キナバル入り マレーシア航空MH77(市内ホテル泊)
2日目 山麓の公園ロッジへ 市内から車で3時間(ロッジ泊)
3日目 登山開始~標高3300m付近の山小屋へ 徒歩5時間(レストハウス泊)
4日目 山小屋~登頂~山小屋 徒歩5時間 (レストハウス泊)
5日目 山小屋~山麓の公園ロッジ~コタ・キナバルへ 徒歩3時間+車(市内ホテル泊)
6日目 自由行動(市内ホテル泊)
7日目 帰国 マレーシア航空MH78


ボルネオ島(Borneo)の玄関口となるのはコタ・キナバル。

コタ・キナバルはボルネオ島のマレーシア領地域で最大の都市。

宿泊したホテル近くの市場には、いかにも南国らしい品物が多かった。

参加者はツアーガイド含めて全部で9人。

その中には北海道山岳会の会員もいた。

参加者の年齢構成は25~60歳という感じで、男性6人、女性3人。


公園本部にある宿泊施設。

標高は1500mくらい。

ここで一泊し、次の日の朝から行動開始。

湿気は多いが気温が低いため不快ではなかった。

同室になった北海道山岳会の人に話しを聞くと、これまで日本本州の主要な山には登ったことはなく、年とってから登りたいと言っていた。

それまでは若いうちにしか登れない山に絞って登るとのこと。



ティンポホンゲート(ティンホンゲート)という登山口。

公園本部の宿泊施設から登山口までは車で移動した。

ここから登山が始まる。

北海道山岳会員は、話し方に特徴があり、たまに命令口調になることがあった。

あとで聞いてみると、釧路刑務所の看守をしている人だった。

厳しい仕事のためか、刑務所内の空気が体に染みついてしまったのだと思った。

保育士の資格ももっている人で、全体的に不思議な印象を受けた。


食虫植物として有名なウツボカズラ

登山道から10mほど密林に入ったところにあった。

山麓のジャングルには世界最大の花とされるラフレシアも原生しているらしいが、私たちは見ることができなかった。

これ以外にも熱帯雨林から高山帯までの特異な動植物が数多く存在しているキナバル山は、2000年にマレーシア初の世界遺産(自然遺産)に指定された。

マレーシアの世界遺産(自然遺産)はもう一つあり、同じボルネオ島のグヌン・ムル国立公園。





密林の中を歩く。

道は整備されていて歩きやすかった。

ただ、濡れた木の上は滑ることもあった。

同じツアーの年配の方(60歳過ぎ?のご夫婦)もゆっくりとついてきていた。











標高3300m付近の宿舎(ラパンラタ・レストハウス)。

ここで一泊した。

次の日の朝早く出発予定だったので早めに寝たが、夜中にゴソゴソ音がするのが気になって、よく眠れなかった。

朝になってから確認すると、高山病になった人が寒気+気持悪くて眠れず、防寒着を着込んで寝返りを繰り返したことが原因だとわかった。

高山病になった人は結局、その後の登山は続けなかった。

私も頭が痛かった。



早朝というより夜中、ヘッドライトの灯りを頼りに5時間ほど登ると、熱帯雨林とは景色が一変した。(薄暗かったので雰囲気だけ感じた)

写真のような、のっぺりとした岩だけの風景。

1千万年前の溶岩が、氷河期に山頂付近に存在した氷河によって削られ、このような滑らかな岩肌になったと考えられている。

山は現在でも1年に5㎜隆起しているらしい。

このあたりで私は、頭が痛いことと気持ちが悪いことでフラフラだった。

ヘッドライトの電池が切れて困った。


標高4054mのドンキーイヤー(ロバの耳)。

この岩は2015年の地震で片方が折れてしまった。

地震発生時、たぶんこのあたりを歩いていた人だと思うが、登山者の一人は、「自動車くらいの大きさの岩が、私たちのまわりを落ちていったのを見た」と語った。

地震のあと、登山ルートの一部が変更になったと旅行案内で見た。


頂上(ローズ・ピーク)に到着。

ローズ・ピークという名前は、英国の植物学者者ヒュー・ロウの功績を讃えて名付けられたもの。

彼は世界でも有数の生物多様性に富んだボルネオ島の自然を世に知らしめた。

私は頂上に着いても高山病の症状は治らなかったが、10分ほど座っていたら症状が軽くなってきた。

年配の方(60歳過ぎ?のご夫婦)は遅れて到着。

同じツアー客の中では1人だけが高山病で登頂できなかった。



下りは順調。

全体的な印象として、富士山の登山と似ていると思った。

ただ、富士山より標高が高い分だけ高山病の可能性が高くなる。

高山に慣れておくか、薬を用意するか、事前の準備が必要だと感じた。









公園本部から見たキナバル山。

山の頂上付近に奇岩が多いことがわかる。

低地のジャングルと頂上付近の景色の大きな違いが印象に残った。







リゾート地の海岸で泳ぐ機会もあった。

海だけでなく、ホテルのプールでも遊べるような予定になっていた。

終日フリータイム。












【地図】







以上、終わり。




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